ベランダから見える星
その顔を見た時私は思った。


あぁ話しても無駄だと…。



「じゃあねお母さん。
 もう会うことがないよう願ってるよ。」


私はそれだけ言って家を出た。


が,母親は言われっぱなしが気に障ったらしい。


外に出て来て私の頬を叩いた。



「あんた京介を助けたつもり?
 誰もそんなこと頼んでないわよ偽善者!!」


母親の言葉に呆れてものが言えなかった。


大体私は弟を助けようとしたわけではない。


ただ弟の姿が昔の自分に重なってどうしようもなくなっただけだ。


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