八年目のシュート
萩原……。
私の淡い期待はやぶられた。
萩原は昔と全然変わらない。
惹かれ続けたあの時のまま、今もずっと素敵だった。
「バスケ部の顧問もしてるんだろ。適職だな」
「おう!毎日忙しいけど、すっごい楽しいよ」
やっぱり、まっすぐ見ることもできない。
指の先端でくるくる回るボールは、周りの空気を八年前へとどんどんタイムスリップさせていった。
盛り上がるメンバー。
重なる陰から萩原と目が合う。
一瞬にしてあの時の光景が広がった。
「そこからシュートできたら、つきあってもいいよ」
あの時の萩原の顔、陽射しが眩しくて見えなかった。
どういうつもりで言ったの?