八年目のシュート
「よし、じゃあみんなで賭けるか。一樹と尚が無事結婚するかどうか」
「それって賭けになんのかよ。もう来月って決まってんだろうが」
「いや、人生わからんぞ。尚ちゃんはさっき、一樹の秘密を知ってしまったからな。フフフッ」
「オレ、破滅するに賭ける」
「てめぇ、ぶっ殺す!」
「じゃあ、私は円満に結婚するに賭けとくか、仕方ないから」
「仕方ないってなんだ!」
「萩原ー。お前どっち賭ける?」
ドキン……。
萩原は私の斜後ろに座っていた。
みんなの視線が、私を飛び越えて萩原の元に辿り着く。
今みんなの目には、私と萩原が重なって見えているのだろう。