八年目のシュート

想い



あの日、夕陽が差し込む体育館で

私は人生最初で最後の告白をした。



「ずっと好きだったの。
よかったら、私とつきあって」



憧れ続けてきた存在。

話しかける勇気さえなかった日々。



文化祭の後片付けが終わる頃、彼はいつもと同じようにバスケットの練習をしていた。

床を打つボールの音。

逆光で目が閉じかける私に、彼は言った。



「そこからシュートできたら、つきあってもいいよ」




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