八年目のシュート
高校二年の秋、
私は自分の気持ちに気がついた。
毎日部活で顔を合わせる萩原翔。
小学生の頃からやっているだけあって、バスケの腕は先輩たちからも十分すぎるくらい認められていた。
同級生はもちろん、他の学年からも人気があったけれど、私はどうしても好きになれなかった。
チャラチャラして、女遊びしてそうで、まったく好みじゃなかったのだ。
「もう少し腕伸ばした方がいいんじゃない?指先まで力入ってないから、ラインが曲がるんだ」
初めて話しかけられた言葉にも妙に腹が立って、私は萩原を無視し始めていた。