八年目のシュート


二年にもなってレギュラーになれない私は、みんなが帰った後に個人練習をしようと、こっそり体育館に入り込んだ。

誰もいないはずなのに、低く床を打つ音が聞こえる。



萩原……。



きれいなフォームを維持するには、人知れない努力があった。

私はそこに足を踏み出す事もできず、萩原の姿を見続けた。

次の日も、また次の日も。




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