八年目のシュート
「尚ちゃん、すっごくシュートの姿勢良くなったね。次の試合は使うつもりだから、もっと頑張ってよ」
「はいっ!」
やっとのレギュラー入り。
毎日萩原の練習を見ていたおかげかもしれない。
萩原に対する想いが、少し変わった。
「やったじゃん」
そんな一言にさえ、胸が高鳴る。
もしかして、萩原のこと好きになったかもしれない。
その気持ちは、
私を一層萩原から遠ざけた。
意識すると顔を見ることすらできない。
話をすることなんて……。