八年目のシュート
私は少し驚いていた。
簡単に断られるだろうと思っていたのだ。
それに、ネットまでほんの2mもなかったから、今の私が外すわけがないし、
こんなにあっさりとつきあえるなんて思ってもみなかったから。
腕は震えていたけど、自信があった。
しっかり伸ばして、指先まで力を入れる。
そして、軽くジャンプした。
それはまるで、連射したフィルム写真のように、一コマ一コマを空中に刻んでいく。
次の瞬間、
鈍い音と重なって、私の体に衝撃が走った。
私は、シュートを外した。