俺、兄貴になりました
陽の話を聞いて、俺はこいつらを守りたいと思った。
ナポリタンを頬張る恋と蒼は、やっぱり見分けがつかない。
絶対見分けられるようになってやるからな。
今はまだ心を開いてくれなくてもいい。
でも、その心が開いたときには、思いっきり甘やかしてやる。
今まで我慢してきた分、俺が甘やかしてやるから。
「親父、高野さん。家のことは俺が全部やる。だから二人は遠慮なく、今まで通り仕事に専念してくれていい。
こいつらの面倒は俺がみるから」
俺はナポリタンを食べ終わっていた尚と慎を持ち上げ、両肩に担ぐ。
「うひゃー!高けぇーっ!」
「あはははっ!」
いつもはやんちゃなこいつらだって、どこかでは無理してると思うんだ。
「お前ら、自分の皿洗ったらご褒美にアイス買ってやる」
「マジで!?」
「高いのでもいい!?」
「俺チョコレートー!!」
勢い良く台所に走っていく弟達。
やっぱ可愛いな。