俺、兄貴になりました
恋の髪をセットし終えたところで、他の弟達が起きてきた。
「あー!恋また兄貴にセットしてもらってるー!ずるい!!」
「蒼もやってやるから、早く飯食っちまえよ」
「マジ?やった!」
可愛いな。
「「翔にぃー、おはよー」」
眠たそうに2人して目をこすりながら起きてきたのは、サッカー少年の双子。
欠伸まで同時にするんだから、どんだけ仲がいい双子だよ、といつも思う。
「おはよう。お前ら今日練習は?」
「今日は高校の部活だけー」
「クラブは休みー」
大変だな、この双子は。
高校、クラブ、代表の三足わらじ。
精神的にも、肉体的にも疲労はハンパないはずなのに、この双子は弱音や愚痴を絶対に言わないから凄い。
「じゃあお前ら、今日部活終わったら整骨院行ってきな。少し体休めろ」
「「翔にぃが言うなら行ってくる」」
よし。
この双子は双子の兄貴か俺の言う事しか聞かないらしい。
自分達の兄貴には従うって…。
嬉しいけど、ちょっと色々と心配。
監督とかチームメイトの言うことは聞かないみたいだから。