俺、兄貴になりました
陽の笑顔を見れた喜びに浸っていると。
「わぁー!!」
突然叫び声が響いた。
なんだ、なんだ!?
叫び声はどうやら洗面所からのようだ。
慌てて駆けつけた俺の目に、びしょ濡れになった翠と慶の姿が映った。
「どうした?」
「翔にぃー…。寝癖直そうと思ってシャワー出したんだけど、出しすぎちゃって…」
あー…なるほどね。
「翔にぃ、ごめんなさい。床もちょっと濡らしちゃった…」
しゅんっとなった翠と慶の頭をタオルで拭いてやる。
「いいって、それくらい。それより、ほら。風邪引くから早く着替えてきな?」
「うん、翔にぃありがとう!」
この甘え上手な奴らめ。
そんな笑顔見せられたら許すしかねぇだろ。
少し濡れた床を拭き終わってリビングに戻った。