俺、兄貴になりました



そして最後は。



「あー、俺も久しぶりに学校行きたーい」


「蒼、今日早く終わるから途中から行かね?」


「マジで?行く行くー!」




アイドルの双子。




「お前ら、あんま騒ぎ起こすんじゃねぇぞ?」



「「俺たち騒ぎ起こしたことないよ?」」



…どの口が言ってやがる。


お前らの存在自体が騒ぎになるんだっつーの。




「まぁいいや。頑張ってこいよ」


「兄貴もねー」


「じゃあ行ってくるわー」


「行ってらっしゃい」





双子を見送った後、家の中に戻った。



一気に静かになった家の中で、俺は思う。




あいつらのおかげで、この家は明るくなった。



キラキラして、あったかくて。



男ばっかだけど、賑やかで楽しい。




騒がしくて、あいつらはいつ何をやらかすか分からないし、大変なことばかりだけど



それでも…。


それでも、俺は思うよ。




「あいつらの兄貴になれてよかった」




ってな。



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