俺、兄貴になりました
「よし、作るか」
俺が夕飯を作っていると、やっぱり手伝いに来てくれた、しっかり者の陽。
「ゆっくりしてていいんだぞ?」
「……12人分は大変だから」
それだけ言うと、陽は肉を混ぜはじめた。
ははっ、可愛いな。
肉が焼け終わる頃、匂いに釣られてキッチンにやってきた弟達。
「すげー!ちゃんとした手作り初めてだ!」
翠くん、それは言い過ぎだろう。
「早く食べたい!」
「じゃあ慶、箸並べてきて。そこの右から三つ目の引き出しに入ってる」
「はいさ!」
素直に言うこと聞いちゃう慶も可愛いな。
「尚と慎はこれ運べ。落とすなよ?」
そう言って渡したのはポテトサラダ。
「「うまそー!!」」
あいつらの思考は一緒だな。
「翔にぃー、俺らはー?」
「雷と煌は……ん?」
今呼び方おかしくなかったか?
「お前今、翔にぃって……」
「だって翔輝にぃって長くて呼びづらいし、面倒だから」
お前ら……。
人の名前まで面倒くさがるって……。
まぁいいか。
「お前らはコップにお茶入れておいて。あ、氷忘れんなよ」
人数いると助かるな。