俺、兄貴になりました
「いいよ、笑えば?どうせガキだって思ってん…」
「思ってねぇよ」
…え?
「思うわけないだろ、ガキだなんて」
はぁ、とため息をつき、兄貴は片手で首を掻いた。
「幻滅とかしねぇのかよ…?」
「幻滅?なんで。どこに幻滅するんだよ?なに、お前ら俺に幻滅されると思って黙ってたのか?」
「「……」」
「バカだなぁ、お前ら。俺が幻滅とかするわけねぇだろ。
むしろ、すげぇ嬉しいね。お前らがそんな風に思ってくれてたのが」
兄貴…。
「ったく、お前らそうならそうと早く言えよなー。
もう少しで可愛い弟傷つけちまうとこだったじゃねぇか」
傷つける?
「それって…」
「兄貴なんて呼ばせねぇよ。お前らが嫌だっつってんのに呼ばせるか。
いつも言ってんだろ、俺を誰だと思ってる。極度のブラコンだぞ」
兄貴は俺たちの肩を引き寄せると、クシャっと頭を撫でた。
その瞬間、すごく大きな安心感が俺たちを包み込んだんだ。
やっぱ、兄貴はすげぇや。