俺、兄貴になりました
「さ、上がって上がって!今日からここが君たちの家だからね」
親父の言葉に、皆が一斉に家に上がる。
「わーい!家が広いぞー!!」
「走れるぞー!!」
「走るな!!」
やんちゃな尚と慎を一喝し、リビングに行こうとした時、皆の靴を揃えている陽の姿を見つけた。
無口だけど、しっかり者なんだな。
「陽、お前いい子だな」
「別に。当たり前のことしただけだし」
やっぱクールだな、こいつ。
陽に続いてリビングに入ると、さっきまでなかった騒がしさがあった。
「慶ー、お前の好きなドラマの再放送やってるぞー」
「マジで!?翠にぃナイス!」
「煌、これなんだと思う?」
「さぁ?なんかの器具じゃない?」
なんか、少し見ただけでコイツらの性格分かった気がする。
恋と蒼は悪ガキで、雷と煌はマイペースの不思議っ子。
翠は面倒見がよくて、慶は気分屋で甘え上手だ。
尚と慎は見たままのやんちゃでいたずら好き。
まぁ、ざっくりと見た感じで、だけど。
双子は双子でも、違うところはあるはずだ。
そこを見極めなくちゃな。