俺、兄貴になりました



でも、やっぱ俺らはまだ子供だったんだ。


大人のいうことには逆らえない。




「…は?」




社長の言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。




訳が分からなかった。




「来月から恋くんにはアメリカに行ってもらう」




な?

意味分かんねぇだろ?




「君たち双子にハリウッドからオファーが来た。だが二人ともとなるとこっちも厳しい。

交渉の末、一人だけということになった。だから、恋くん。行ってきなさい。きっと将来のためにいい勉強にもなると思うんだ」





勉強になる?


将来のため?



それはテメェが勝手に決めた戯れ言だろうが。




「恋も行くなら俺も行く!」


「ダメだ。蒼くんは日本に残ってもらわなきゃ、こっちが困るんだ」




結局そっちの勝手な都合じゃねぇか。


こっちが困る?


はっ…知るか、そんなもん。








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