薬品と恋心
どうして謝るのかわからなくてティアは首をかしげた。
「それ出したのオレなんだ。危険なことをさせてごめん」
「いえ、謝らないでください。私が選んで引き受けた仕事です」
報酬が良かったし、一度行ったことがあるからと引き受けたのは自分なのだ。
ジーニアスに責任はない。
「そ、そうか…あ、採取人といえば、ちまたで噂の採取人がいるだろ?正体不明の」
「幻の採取人ですか?」
ティアは首を傾けてジーニアスを見た。
「知ってるのか。ま、有名だしな。実ははじめ、その人物がティアを伝言役に使ってるって思ってたんだよな」
違ってよかった、とジーニアスは笑った。