薬品と恋心

出会い


ーあれは7年前。


ティアはディンレーベン王国の王都、キングスフォレストに住んでいた。


父は伯爵、母は裕福な商家の娘だった。


大きな屋敷に住み、使用人やメイドに囲まれ、何不自由しない生活を送っていた。


そう、ティアは俗にいうお嬢様だったのだ。


それがどうして採取人などという、危険と隣り合わせの仕事をしなければならなくなったのか。


ーあの日、あの男の子に会わなければ、こんなことにはなっていなかった…のだろうか。


< 12 / 421 >

この作品をシェア

pagetop