薬品と恋心
「ふうむ、違うとでも言いたそうだな。なら、確認もかねてお前の名を言おうか」
ー名前ぐらいで動揺すると思っているのか。
ティアはグッと短剣を握りしめる手に力をこめた。
「ジェンティアナ…だろ?」
「なっ…!!」
ーなんでその名前を。
「ははははははっ!!やはり当たっていたらしいな!」
ー4年前から使っていない名前を。
「ダメだぜぇ…動揺しちゃあなっ!!」
言うが早いか男は剣を抜き、斬りかかってきた。
「く…っ!!」
ティアは短剣をすべらすようにしてその攻撃をいなした。