薬品と恋心

ー7年前。



ジーニアスは王都から離れた別邸に住んでいた。


そこは自然がたくさんある場所で、よく勉強をサボっては外に遊びに行っていた。


ある日抜け出した先で、ケガを負い、気がつけば調合師の家にいた。


それが縁で、その調合師の家にたびたび行くようになった。


そして、その年の夏の日。


ジェンティアナに出会った。


庭の片隅に隠れるように座る彼女は誰かに見つけてほしかったらしい。


異国の血が混ざっているのか、青銀髪の美しい容姿に目を奪われた。


名前を聞かれてジーニアスではなく、ジークと答えた。


立場上、本名は明かせなかった。


彼女は素直にそれを受け入れた。


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