薬品と恋心

そして、伯爵と伯爵婦人は屋敷で待つ娘のために一足先に王都に向けて出発した。


ジーニアスも後から追いかける予定だった。


しかしー


旅支度をはじめたジーニアスに届いたのは悲しい知らせだった。



「えっ、ジェンティアナの両親が盗賊に襲われた?」



「はい」



「すぐ出立する!!」



「いけません、ジーニアス様。まずは盗賊を討伐してからにございます」



「待ってられない!!ジェンティアナが屋敷で待っているんだ!!」



出ていこうとするも、まわりに止められ、王都に行くことができなかった。


結局、討伐隊が出てきて事態が鎮静化するまで屋敷から出られなかった。

それからようやく王都に戻り、ジェンティアナを探した。


ところが、彼女は叔父に連れていかれ、行方がわからなくなっていた。



< 166 / 421 >

この作品をシェア

pagetop