薬品と恋心
ーそしてそれから7年。
時間の経過とともに、彼女を探すことは「好きだから」ではなく、「義務」に代わっていた。
そして、訪れたこの町で偶然にも彼女を見つけられた。
久しぶりに会ったジェンティアナはティアと名前を変え、警戒心がずいぶん強くなっていた。
はじめは他人の空似かと思った。
だけど、接しているうちに彼女が何も変わっていないことを知った。
次第に心を許してくれ、笑顔を見せてくれるようになった。
ー今は間違いなく彼女に惹かれている。
ティアは自分が渡したあの証を今も持ってくれているだろうか?
ー持っていてほしい。
今はそう思う。
しかし彼女を不幸にした原因は自分にある。
そんな自分が彼女を好きになってもいいのだろうか…?
ーもしも許してくれるなら。
ーオレを好きになって欲しい。
ジーニアスはティアをぎゅっと抱きしめた。