薬品と恋心
「私は実は17歳なんです」
どういう反応をされるだろうか。
恐る恐る顔を見上げると、ジーニアスはやさしく微笑んでくれていた。
その笑顔にホッとして、ティアの顔もほころんだ。
ー大丈夫。この人は受け入れてくれる。
それからティアは薬を飲んだために成長が止まっていること、叔父の家に引き取られたこと、結婚から逃げたために追手に追われていること、それから開放されるには解除薬を探して成長するしかないことなどを話した。
そしてー
ジーニアスを自分の事情に巻き込みたくなくて黙って採取に出掛けてしまったことも。
ジーニアスは黙って聞いてくれていた。