薬品と恋心
★第五章★ 舞踏会
屋敷に帰りつくと、玄関ホールにレティシアがいた。
「追いついたみたいね」
レティシアはふふっと艶やかに笑うと、ジーニアスにちかづき、その頬に指をすべらせる。
「あらあら、こんなにキズだらけになっちゃって。いい男が台無しよ?」
ジーニアスはレティシアの手をどけると、自室に向かって歩きだした。
「ちょっとお待ちなさいな」
レティシアはジーニアスに追いつくと、隣にならんで歩きだした。