薬品と恋心
応接室のソファに座っていると、ほどなくしてレティシアが現れた。
ティアはソファから立ち上がり、お辞儀をする。
「そんなに固くならないで。私はただ貴女とお話したいだけなのだから」
レティシアは扇子で口元をを隠しながらにこりと微笑んだ。
「まあ、お座りなさいな。おいしい紅茶を淹れてもらったのよ」
ソファーに座ると、レティシアの後ろに控えていたメイドが手際よくティーポットから紅茶を注ぎ、目の前のテーブルに置いてくれた。
ふんわりと紅茶のよい香りがただよう。
「いただきます」
紅茶を飲んで一息ついてからレティシアは口をひらいた。