薬品と恋心

ー好き?私がジーニアスを?



「それは…」



どうなのだろう?


ジーニアスのことは嫌いではない。どちらかというと好きなほうだ。



(私はジーニアスに恋愛感情を持っているの…?)



ティアはレティシアの質問にすぐに答えられなかった。



「どうなの?」



レティシアが答えを求めるように聞いてくる。


ティアは考えるようにうつむくと今の気持ちを話すため口を開いた。



「嫌いではないです。むしろ好き…かもしれません」


頬が次第に熱を帯びて来るのを感じて、ティアは手を顔に当てた。



「でも…これが恋愛感情なのかどうかはわからないんです」



顔をあげて訴えるとレティシアは少し驚いたような表情を浮かべていた。


「…そう」



「すみません…はっきりしないで」



まぁいいわ、とレティシアはふっと肩の力を抜いて微笑んだ。



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