薬品と恋心

ジーニアスの婚約者はレティシア様。どのくらいの身分の貴族のお嬢様なのかはわからないが、見る限りかなり高貴な血筋のようだ。


レティシア様と婚約できるところをみるとジーニアスもそれに釣り合うぐらいの貴族なのかもしれない。



ー婚約者。



そのフレーズが頭に浮かんだのと同時にティアの胸がひどく痛んだ。


のどが締め付けられたように苦しくなり、意味もなく涙が浮かび上がってくる。


レティシア様からジーニアスが婚約者だと聞かされてからの自分の行動がおかしくなっていることにティアも気づいていた。


ぼんやりとしていることが多くなり、気づけばジーニアスのことを考えてしまっている。



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