薬品と恋心
キスされたとたん、ティアの体がドクンと大きく脈打った。
「ーっ、あああああっ!!」
次の瞬間、体中の血が一気に沸騰したように全身が熱くなり、ティアは両手で体を抱き締めるようにして膝をついた。
ー熱い。
ー痛い。
ー苦しい。
その感情だけがティアを支配する。
自分が今どうなっているのかを冷静に考えている余裕などない。
強制的に一気に成長させているせいなのか、いまにも体が引き裂かれそうだ。
「くっ…ううう…っ…はっ、はぁ…っ!!」
体が悲鳴をあげ、呼吸もままならず、汗がとめどなく滑り落ちてくる。
ーでも、これを乗り越えさえすれば元に戻れる。
かろうじて働く頭の片隅でそれだけを考え、ティアは今にも飛びそうな意識を繋ぎ止める。