薬品と恋心

ティアはぼんやりとする頭の片隅でドアの閉まる音を聞いていた。


体は重く、思ったように動かない。


ひと眠りすればすぐにでも回復しそうではあるが、ここは城。


おそらくここは客間なのだろうが、長居はできないためそれはできない。


(ダメ…なのに…)



下がるまぶたには抗えず、ティアはしばしの眠りについた。


< 260 / 421 >

この作品をシェア

pagetop