薬品と恋心
「ティア、体はなんともないか?」
「…え…?はい、なんともありませんが」
ジーニアスが危機せまる表情で聞いてきてティアは一瞬戸惑った。
眠っている間に一体何があったというのだろう。
「そっか。それならいいんだ」
ジーニアスはホッと息をつき、伝い落ちてきた汗を手で拭った。
「じゃあすぐこれに着替えて。部屋の外で待ってるから」
ティアに服を差し出すと、ジーニアスは部屋のドアの向こうに消えていった。