薬品と恋心

「はははははっ!!知らなかったのか?」



仕組まれていたはずはないーそう信じたかったのに、それをあざ笑うゲオルグの高い声が部屋中に響き渡る。



「お前の両親を盗賊に襲わせたのはこの僕だ!!」



「どうして…そんなことを」



立っていられなくなったティアはその場にくずおれるように座り込んだ。



「どうしてかって?お前を手に入れるために決まっているだろう!!」



「私を手に入れるため?それなら普通に頼めば…」



「ああ、そうしたさ!!でも、お前の両親は認めてはくれなかった。お前を僕に会わさないようにしたばかりか、お前の婚約相手を探していたんだ!!」



ゲオルグは忌々しげに舌打ちをした。



「…そんなことを私に教えてもいいのですか?」



ティアがこの事実を誰かに話せばゲオルグの貴族としての立場は危うくなるのではないか。


ティアは手を握りしめ、涙に潤む瞳でゲオルグを睨み付けた。



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