薬品と恋心
結婚を断ってすぐにでもここから立ち去ってしまいたいが、そうしてしまうとジーニアスに危害が及んでしまう。
怒りにまかせて行動するのは賢明ではない。
ージーニアスを守るために。
ー彼の幸せを守るためにできることはひとつしかない。
『ひとりでどこかに行かないでほしい』
『専属の採取人になってほしい』
ジーニアスの言葉が頭をよぎる。
(ジーニアス…ごめんなさい)
ティアは心の中でジーニアスに謝ると立ち上がってゲオルグをまっすぐに見た。
その瞳には怒りとくやしさが入り交じっている。
「わかりました。あなたのものになります。だから彼に手出しはしないで!!」
ゲオルグはそれを聞いて満足そうにうなづいた。