薬品と恋心

ドアを叩いてほどなくしてジーニアスが姿を見せた。



「ティア!?」



ジーニアスは驚いたようにティアを見た。


それもそうだろう。


ティアがジーニアスの部屋を訪ねることは初めてのことだからだ。


婚約者であるためかレティシアはよく訪れているらしいのだが、子供の姿とはいえ一応女であるティアが理由もなく男性の部屋に行くのはためらわれたためだ。


しかし、今回はきちんとした理由があってここにいる。



< 306 / 421 >

この作品をシェア

pagetop