薬品と恋心
そして宿に着いてから数十分後。
部屋の鏡の前にはブラウスに紺地のフレアスカートといった装いのティアが映し出されていた。
ジーニアスに手の甲に口づけを落としてもらい、再び大人の姿になったティアの体はその女性らしい服を難なく着こなしていた。
その傍らにあるサイドテーブルには空になった小瓶が置かれている。
中身は回復薬。
大人になったときに来る激しい疲労感を特製の回復薬で吹き飛ばしたのだ。
服を整えたあと、ティアは持ち物を確認する。