薬品と恋心
ー知りたい。
ーどうしてスカーフを大事に持っているのか。
ティアの心が知りたかった。
「ティア、少し話したいことがある」
ティアは改まって言われた言葉に驚いたように顔を上げる。
「…え…?」
ジーニアスの瞳に宿る真剣な色に気付いたのだろう。
ティアはすぐさま顔を引き締めてジーニアスを真っ直ぐに見た。
「わかりました。では少し静かなところに移動しましょう。オススメの場所があるんですよ」
案内しますよ、とティアはジーニアスに言うと大通りを外れて歩き出した。
ジーニアスはその少しあとをついて歩く。