薬品と恋心

それも無理はない。



ーディンレーベン。



国の名を戴く家といえば、ひとつしかない。



ー王家に連なる者だ。



それだけでも驚くのに十分なのに、ざわめく人々の口から「ヴァンデンベルグ王家、第二王子…!!」という言葉が飛び出した。


使用人たちはそれを聞いて戸惑い、手を出せない。



「あいつが王子…だと?騎士ではなかったのか!?」



ゲオルグは突然現れた恋敵を忌々しげに睨みつける。


< 383 / 421 >

この作品をシェア

pagetop