薬品と恋心
「ね…だめ?」
耳元で甘えるようにささやかれ、あまりの恥ずかしさにティアは何も言えなかった。
「じゃあ、先にオレが言うからティアも言ってね?」
ティアはこくりとうなづくことしかできない。
ジーニアスがくすり、と小さく笑う声が聞こえたかと思うと、
「…愛してる」
ジーニアスの熱っぽいささやきが耳に届いた。
ティアは瞳を伏せ、ひと呼吸おいてからティアは唇を動かしてジーニアスの想いに答える。
「私も…愛しています、ジーニアス」
ジーニアスは少し体を起こし、瞳を伏せたティアの柔らかな唇に触れるだけのキスを落とした。
幸せなキスにティアの瞳から一筋の涙がこぼれ落ちていった。