薬品と恋心

「必要なものはこんなところでしょうか…あら、ジェンティアナ様。まだお着替えになっていないのですか」



荷物をまとめ終えたメイドがティアを見て仕方なさそうに微笑んだ。



「ほら、早く着替えてください。お手伝いが必要ですか?」



「いえ、あの…」



ー私はここにいてはいけなくなったのか?



聞きたいのにうまく言葉にならず、口ごもっていると「なんですか?」とメイドは不思議そうにティアを見つめてくる。



ー聞かなくては。



たとえ、どんな答えであろうとも聞いてみなくては先に進めない。




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