薬品と恋心
「ジェンティアナの人生を狂わせてしまったのは…俺だ。本当にすまない…」
ジーニアスは胸に手を当て、苦しそうに言葉を紡ぎはじめた。
「こんな俺がジェンティアナを好きになる資格などあるはずもない…」
ジーニアスは憎まれて当然のように発せられる言葉にティアの胸が締め付けられる。
ー違う。そんなことはない。
自分はジーク…ジーニアスに会いたい一心で今まで生きてきたのだ。
それに両親のことはジーニアスのせいではない。
あれは不幸な出来事であり、その原因はジーニアスにはないのだから。
ティアはジーニアスから瞳をそらすことなく、まっすぐ見つめた。