薬品と恋心

そんなティアを見て、ジーニアスの顔がわずかにほころんだ。



「そう思って、諦めようとも思ったけど…諦めきれなかった」



そう言うと、ジーニアスはティアの前で片膝をついた。



ーえっ…?



必然的にティアはジーニアスを見下ろすような形になる。


下から見上げる真剣な瞳と目が合い、ティアの鼓動がひとつ大きく胸を打つ。



ーこれは…何?



ジーニアスは突然の行動に驚いているティアの手をとった。



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