薬品と恋心
「改めて言うよ、ジェンティアナ。…今度こそ守ると誓う。悲しいときも嬉しいときも側にいる。だからこれから先、俺と共に生きてくれないか」
ー共に…生きる。
ーこれから先もジーニアスと一緒に…?
ジーニアスの言葉の意味をかみしめたとたん、頬をすべり落ちていくしずく。
それは丸い水滴となって重ねられた手の上に美しい円を描く。
「ジェンティアナ、返事は?」
「…っ、はい…っ!!」
「では…これを」
ジーニアスが取り出したのは小さなベルベットの箱。
その中に入っていたものにティアは目を奪われた。
それはジーニアスの言葉が本物であり、誰かが二人を引き離すことなど許されないーそのことを証明するものに違いなかった。
「改めて贈る、婚約の証だ」
ジーニアスは指輪を取るとゆっくりとティアの指に沈める。
指輪はティアの指に吸い込まれるようにぴったりとおさまった。
「…愛している」
ジーニアスはその指に口づけを落とすと立ち上がり、その腕の中にティアを抱き締める。