薬品と恋心
「店主、この店にそれらしき人は来ていないのか?」
聞かれて店主は顎に手を当てて考えるしぐさをとった。
「いや~、どうだろうね。うちは元々珍しい薬草を取り扱っているし、そういうものを持ってきてくれる優秀な採取人も多いからなぁ」
君たちのような人がな、と店主に言われ、男たちは「いやいや、そんなことないよ」と言いつつ笑顔を浮かべた。
お世辞でもそうでなくても、優秀と言われて誰しも悪い気はしないものだ。
「まあ、うちはこの通り客の出入りも少ない店だから、そういう人がいたらすぐわかるさ」
言われて男たちは店内を見回した。