薬品と恋心
裏通りに位置している店内は閑散としており、自分たち以外に店にいる客といえば、カウンターにいるフードをかぶった子供しかいない。
子供はジュースの氷をマドラーでつついて遊んでいた。
「そうだよな。もしかしたら、他の店にいるかもしれないな」
納得したように男たちは頷きあった。
「店主、騒がしくしてわるかったな。勘定はいくらだ?」
男たちは勘定を済ませ、帰りはじめた。
ひとり、またひとりと出ていくたびに扉の上部につけてある古いベルが乾いた音をたてる。