薬品と恋心
途方に暮れたとき入ったさびれた本屋で、ティアはある文献に出会った。
ー古代薬。
製法も伝わっていない、存在しているのかどうかわからない伝説級の薬だ。
その文献は古代薬について触れられていた。
もしかしたら、そこに何か手がかりがあるかもしれない。
ティアはわらにもすがる思いでそれを調べはじめた。
どうやら古代薬の文献は各地に散らばっているらしく、ティアは各地をまわり、仕事をしながら古代薬の文献を探している。
ただ追っ手を撒くためだけに各地を点々とするより、目的があって移動するほうが気持ち的に楽だった。
(いつか成長したら王都に戻ってジークに会うんだから…)
それまでは警戒を緩めるわけにはいかない。