薬品と恋心
ティアがこの町にやって来た理由はもちろん、この町に数少ない古代薬の文献があると聞いたからだ。
正確には写し、らしい。
どこにあるのか探しまわり、ようやくそれが大通りの本屋の片隅にあることを突き止めた。
手に入れたかったが、値段がおもいのほか高く、ティアには手が出せなかった。
高報酬の依頼をたくさんこなし、この間の依頼でようやくそれが手に入る金額に達したのだ。
そのためにはこの人ごみをどうにか抜けて本屋にたどりつかねばならない。