薬品と恋心
ティアと目線をあわせるようにして、ジーニアスは真っ直ぐティアを見つめる。
「ティアにある提案があります」
いきなり敬語になったジーニアスにティアは怪訝な顔をする。
「提案?」
「あの文献、実は持ってるんだ」
「…え?」
ティアは瞳をしばたたかせる。
「実はオレ、古代薬を専門に研究してるんだ。あの文献以外にもあるから見にこないか?」
じっとティアを見るジーニアスの瞳は真剣そのもので、嘘を言っているようには感じられない。
ティアはしばらく考えた後、こくりと頷いた。