薬品と恋心
「ほら、こっちだよ」
ジーニアスに連れられ、屋敷の奥にある書庫へと案内される。
重厚な扉を開けると、古いインクの匂いがした。
中に入り、見上げると壁一面に本がところ狭しと並んでいた。
「すごい…」
ティアの口から感嘆の声がこぼれる。
部屋を見回すと、大きな机と椅子が目に留まる。
この部屋でちょっとした作業ができるようにされているらしく、机の上には羽ペンやインクなどの筆記具がキレイに置かれていた。