薬品と恋心
仕事依頼
カラン、と店のベルが鳴り、店主は扉へと顔を向けた。
「いらっしゃ…ってティアじゃないか。久しぶりだな!!」
店主は見知った顔を見てとたんに笑顔になる。
つられてティアも顔をほころばせる。
最近はジーニアスのところに入り浸りだったから、店主の顔を見るのは本当に久しぶりだった。
「こんにちは」
ティアはカウンターのいつもの席に座った。
店内を見回したが、この店はいつもと変わらず閑散としている。
お客は今のところティアひとりだ。
「最近見かけなかったが何してたんだ?」
「少し調べものをしてました」
「そうかい。んで、ここに来た理由はいつものか?」
ティアはこくりとうなづいた。