薬品と恋心
心配
ジーニアスは調合師というだけあって、持っていた鞄の中には色々な薬が入っていた。
そこから傷薬を手際よく取りだして、ティアの前に座った。
「思い切りはじきとばして悪かった。…ところで、なんでこんなところにいるんだ?」
傷の手当てをしながらジーニアスが聞いてきた。
どう答えたらいいのかティアは思案した。
散歩というような距離ではないし、山に来たかったと言うとしても、この山は普通の人が来るようなところではない。