躊躇いのキス
確かに、幼馴染から
仮の恋人と昇格できたけど、
好きという気持ちの大きさはどう考えてもあたしのほうが大きい。
きっとそれは雅兄も否定しないだろうし事実。
だからこうやった温度差は出て当たり前である。
「ほら。着いたぞ」
「……うん」
気が付けば、乗り換えの駅まで来ていて、
少し逸れた道路わきに車を停めた。
たったの15分。
きっと今日は、もう会えることはなくて……
「侑那」
「何?
………っ!?」
突然目の前に雅兄の顔のアップ。
驚きすぎて目を見開くと、
雅兄の唇があたしの唇に触れる寸前のところで止まった。